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ぴちゃんぴちゃんと水が跳ねる。
ぶろろろと車が通り過ぎる。 ただ冷たく水滴が頬をすべり、唇を濡らしていった。 私は静かに息を吐く。 街灯に照らされた夜に真っ白な息がふわぁっと現れて、消える。 ……一歩。 また一歩。 歩くたびに歌が聞こえる。 悲鳴のような、哀願のような、痛い声。 耳を塞ぐようにウォークマンの音量を上げて、また夜の空を見上げる。 雨に濡れたって別に構わない。――制服でさえなければ。 不意に目の前を何かが通り過ぎる。 無視して歩く。 また通り過ぎる。 それは触れられないもの――マボロシ。 幽霊でも、物の怪でもない、私自身が生み出したただの幻覚。 ふと立ち止まって目を閉じる。 すぐ脇を会社帰りのスーツ姿の男が操る自転車が通り過ぎていく。 どれがマボロシなのか、私にはわからない。 誰か、教えて。 どれが私の現実なのですか。 どれが私の望むとおりのマボロシなのですか。 冬よりも冷たい雨が、唇にそっと触れて、手のひらに落ちる。 温かな雨が瞳から零れ落ちた。 私の未来に在るものは何ですか。 何が在ると言うのですか。 悲しくて悲しくて。 苦しくて苦しくて。 それでも僕には立ち止まることが許されないから。 ああ、 世界はこんなにもちっぽけなのに。 どうしてこんなにも色んな想いが詰まっているんだろう。 ただ、 苦しいだけなのに。
何もいらない。
何もほしくない。 だから放っておいて。 そんなに私を壊したければ、 もっと早くに壊せばよかったの。 それなら、こんなに苦しまなかったのに。 勇気なんていらない。 希望なんていらない。 何も望まない。 今はただ、放っておいて。 少しの時間がまた、 少しの安らぎを与えてくれるから。 痛みを忘れるくらいに 夢中になれるものがあったら いいのにね そういうものを持ってるけど 矛盾の繰り返し 一時でいいから この痛みを忘れさせて下さい 追いかけてこないで もう、過去の記憶を忘れさせて。
好きってなんだろう
私にはわからない だから怖い わからないもので バラバラになってしまうのは とても怖い 好きってなんだろう そんなに特別なものなのかな 私には幻想しか見えない 一度バラバラになってしまったから 戻ることはなかったから 余計にわからない そんな特別なものが世界にあるんだね 人は持ってるんだね ああ、そう。 私にはそれしかわからない。 他に何も言葉が浮かばない。 君にあげられるものなんて たかが知れてるんだ この思いと、夢。 今僕が持っているのはただそれだけ だから不安にもなるし 僕自身が不安にもなる 君にあげられるものなんて たかが知れてるんだ それでも ただ側に居たいと そう言ってくれた君は 本当に、 本当に綺麗だった。
私が、例えば人を好きになるとしたら。
特別な意味で好きになるとしたら。 きっと、刺し殺してしまうんだろうね。 誰にも渡せない、渡したくない一心で。 どうしようもない独占欲の塊だから。 そうならないように夢を見る。 誰も好きにならないように。 特別な好きは私には必要ない。 別な意味での特別はもう手にいれたから。 これ以上は望まないよ。 だって、十二分に幸せなんだから。 自分でわかってるから、 だから悲しいのかもしれない。 遅いことなんか何もない 遅いことなんかない 気付かないで 言わないよりはマシ でも、 忘れようとしていたことを 掘り起こすのはやめて。 あなたにとってはシアワセノキオク わたしにとってはアクムノミ。
難しく考えすぎて悩みすぎて。
何も見えないと、 何も見たくないと、 そう思った時もあった。 でも、 1年経って、 2年が過ぎて、 そんなこと忘れる時が増えてきた。 1年経って、 2年が過ぎても、 忘れられないこともあるけど。 後悔だってしないわけじゃない。 あの時もっと自分をちゃんと保ててたら。 そう思うときは時々ある。 それでも、 後悔をしても、 あの時はあれでよかったのかもしれないと思う。 そんな心が少しあったかくて。 辛いことはいっぱいあった。 楽しいこと以上に記憶に刻み込まれてて。 でも私は『終わり』にできなかったから。 『終わり』に出来ない以上、 せめて、 悲しいだけと決め付けるのはやめたくて。 そういつも自分に言い聞かせるように生きて。 だから、ねえ、 私は強くなんかない。 貴女が思うように強くない。 決して強くなんかなりたくない。 誰かに頼りたいと、 願う気持ちを忘れたくないから。 難しく考えすぎて。 今はきっと悲しいことしか見えないだけ。 忘れようなんて思わないで。 忘れないで、生きて行こう? とても厳しいことを言ってるのかもしれない。 でも、痛みを知らない人にはならないで欲しいから。 さ、休み休み、歩き出そう? ささやかな望み ただひとりでいたくないだけだから 街中にでも出ればいいだけのこと ささやかな望みだよね なのに、 足は動かず、 私はひとり部屋の中… なんてことない望みのはずなのに。 |
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